2026年8月から9月に全国で相次いだ浸水被害では,多量に降った雨水が”低い土地”に集まって浸水を生じたり,中小河川や排水路の沿った低い土地が河川や水路から氾濫した水に浸かったり,といった,”低い土地の水災害リスク”が強く認識されました.これらの被害は,雨水が相対的に低い土地に向かって流れ,排水能力を上回るほどの大雨であった場合に,低い土地にどんどん水が溜まっていく(水位が上がる)という自然の摂理とでもいうべき非常にシンプルな現象であるがゆえに,抜本的な対策が難しいのが実情です.
もっとも即効性のある対策は,お住まいの土地や職場・学校の水災害リスクを知り,備えることです.加えて,日常生活の中の通学路や通勤路の安全性も確認しておくとよいと思います.実際のところ,今回の一連の災害での死者の多くは,移動中に車が水没して亡くなられた方や,土砂災害によるものでした)
これからお住まいをお探しの方,家を建てる土地をお探しの方は,行政が公開しているハザードマップ(河川の氾濫だけでなく,内水氾濫のハザードマップもしっかり確認を!)に加えて,ハザードマップには表れていない浸水リスクのチェックとして,土地の地盤の高さも確認されるとよいでしょう.
「周囲と比べて地盤が低い土地ビューワー」 とは?
↓↓↓↓↓まずはお試しください↓↓↓↓↓
https://haramori1976git.github.io/lowland-depression-prototype/
国土地理院が公開している地図,標高メッシュ(Digital Elevation Map: DEM)データをダウンロードして,周囲半径500m(250m, 1km選択可能)に対して相対的に地盤が低い土地を可視化するものです.
気象予報士パパの防災ラボが公開された「周囲より低い地形チェッカー」(https://bousai-wx-lab.github.io/terrain-depression-checker/)が,シンプルで分かりやすかったのですが,山の地形も含めて処理されてしまうために,山裾がうまく見えないのが気になっていました。 そこで,平地と山地を分けて山地を除外する処理を先に行ってから,平地の中で相対的に低い土地を抽出するアルゴリズムで作り直してみました(コードはゼロからおこしなおし).
あと,データ通信量,計算量を減らすために,地図を見ているときには地形データ(DEMデータ)を持ってくることはせず,見たい場所を地図で見つけてから,計算するようにしました。 周辺を参照する範囲,使用するDEMデータの解像度なども選択できます.
是非お試しください。
注意書き
このビューワーの計算方法の欠点として,「ある地点から周囲〇〇〇m」しか見ていないことにあります.低い土地が広範囲に広がっている場合,浸水リスクが高い土地であるにもかかわらず,周囲数百メートルだけ見た限りは低い土地ではないと判定されます.
また,山地を除外する処理を加えていますが,どうしても山地の裾野の土地の平均標高は高めに平均されるので,山地の裾野の水災害に対しては安全な土地(土砂災害についてはどうかわかりませんが)に,「周囲より低い」と濃い色が表示されがちです.実際の地形を見て,ご判断ください.このビューワーでは,地形そのものも色分け表示する機能をつけてあります.
また,これからお住まいをお探しの方,家を建てる土地をお探しの方は,河川の氾濫に関するハザードマップ,内水氾濫に関するハザードマップ,土砂災害のリスクなども総合的にお調べになるとよいでしょう. 地理院地図の「自分で作る色別標高図」や,今昔マップのウェブサイトなどもおすすめです.

