とみぱーく 土木学会デザイン賞 奨励賞を受賞!


2016年から関わってきた岐阜県富加町の川浦川の水辺の「とみぱーく」が,2025年の土木学会デザイン賞の奨励賞を受賞しました.とみぱーく付近は,河川環境の調査地にもしており,また一昨年と昨年は魚道の整備も学生(佐藤君)に手伝ってもらって行いました.

なお,2016年土木学会デザイン賞優秀賞を受賞した「糸貫川清流平和公園の水辺」も原田が関わった現場です.地元の人に愛される水辺を整備しつつ,しっかり河川環境保全も入れ込むのが流儀です.

(上記写真は原田が2024/6の土曜日に撮影したものです.親子連れが沢山!)

—————————————
「とみぱーく」は、岐阜県富加町が推進する「富加町かわまちづくり計画」に基づいて整備された水辺拠点であり、川とまちのあいだにひらかれた、地域に根ざす公共空間である。顧みられる機会の少なかった川浦川沿いに新県道バイパスが計画されたことを契機に、その沿線開発の質をあらかじめ誘導すべく町が構想を立ち上げ、小学生の通学路に位置する竹藪を拓き、人々が日常的に過ごせる明るい公園へと転換した。
 川浦川は、律令制の成立時代から人々の暮らしを支えてきた掘り込み河川であり、まちの中に複数の段丘地形を展開する独特の風土を持つ。設計者の出村嘉史・原田守啓はこの地形と歴史に深く読み込み、かつて川とともにあった生活の基盤を取り戻すべく、水面へと緩やかにつながる斜面と、河川の表情に呼応する石積みのテラス状護岸によって、風景に根ざした開放的な空間を構築した。
 設計ではUAV測量による点群データに基づく3Dモデリングと、現場感覚に根ざしたハンドドローイングを往還させる「脱定規断面」のアプローチを導入。さらに、設計者が施工現場に継続的に立ち会い、職人や重機オペレーターと密に協働しながら設計を微修正する「ライブ設計監理」体制を採用した。重要な造形要素については「見試し」を行い、現地での即時確認と調整を通じて空間の質を高めている。
 本拠点の整備を契機に、新県道を挟んだ隣接地にも展開が広がり、ミユキデザインが手がけた駐車場およびトイレ棟の整備が追加された。これは一連の構想の延長線上にあるもので、富加町が前例のなかったプロポーザルによって実施主体を選定し、全体の空間的・制度的な広がりをともなったプロジェクトとして実現された。「とみぱーく」は点ではなく面として育ち続ける公共空間であり、地域の風土に根差しつつ、拡張可能な“しかけ”として高い先導性を示している。《主な関係者》○出村 嘉史(岐阜大学)/デザイン全体の企画・監修/エリアビジョンの組み立て/水辺空間他のデザイン/施工管理(全体)
○原田 守啓(岐阜大学)/事業スキームとプロセスの提案/水辺空間のデザイン/河川工学・河川環境的観点からの検討/施工管理(河川)
○板津 徳次(富加町長(当時))/かわまちづくり事業の発案/事業全体におけるリーダーシップ《主な関係組織》○富加町 かわまちづくり協議会/地域の関係者間の調整、地元協力体制の構築
○富加町 建設課/空間の価値を高めるための追加工事を積極的に実施
○岐阜県 県土整備部 可茂土木事務所 河川砂防課/デザイン意図を尊重した河川工事、石積みのための材料調達
○株式会社 半布里産業/公園部(河川区域内)の施工、i-constructionの導入
○株式会社 友進/公園部、練石積みの施工、見試しによる柔軟な施工
○株式会社 ORIBE/建築物・駐車場の施工、建築物を柔軟に施工
○株式会社 ミユキデザイン/サイン計画、建築物・駐車場の設計
○株式会社 ユニオン/公園・道路の詳細設計を担当、度重なる修正設計に粘り強く対応